本を読んだら書く備忘録。
今回は飛行機にまつわる恐怖を扱った短編集
「 死んだら飛べる 」
(画像はAmazonのリンクです)
スティーブン・キングが関わってるし、出版されたのも数年前だし、私の中では「 飛行機=旅客機 」だったので現代のアンソロジーだとばかり思っておりました。
が、収録されている作家名をよく見てみればわかる通り、ビアスやコナン・ドイルのような1800年代生まれの有名作家も含まれており、戦時中やそれ以前の時代の話も多かったです。
ライトなホラー小説集と思って読み始めると、文学寄りの作品がそこそこあるので期待が外れるかも。
以下、印象に残った小説の感想。
コナン・ドイルの『 大空の恐怖(1913年の作品) 』には、とあるUMAを思わせる生物が出てきてびっくりしました。
そのUMAの存在が噂され始めたのは作品発表の何十年もあとのはずなんだけど、もしかしてこの小説が元なのかなぁ、と思ったり。
一番、「 この主人公にはなりたくない! 」と思った作品は、E・C・タブの『 ルシファー! 』。
57秒だけ過去に戻れる指輪を手に入れたサイコパスの話です。
想像するだけでゾクゾクするような結末が好き。
この作家の他の作品ももっと読んでみたいのですが、残念ながら、日本語翻訳されたものがほとんどないみたいです。
あとはジョン・ヴァーリィの『 誘拐作戦 』が面白かった。
未来人の組織が、1979年に旅客機の乗員を誘拐しにくるお話です。
脳みそのどの部分を使ったらこんな世界・設定を思いつくんだろうって内容。
最後の1文がすごく切なくて印象的でした。
この作家も、Amazonで調べたら新品で手に入るものは2冊くらいしかなくて残念( ノД`)
アンソロジーは、今まで知らなかった自分好みの作家に出会えるところが好きです。