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【読書メモ】ダフネ・デュ・モーリア短編集「鳥」【備忘録】

読書感想メモ。

今回の本はダフネ・デュ・モーリア短編集「  」

(画像はamazonのリンクです)

ダフネ・デュ・モーリアの名前は知らなくても、ヒッチコック監督の映画「 鳥 (1963年アメリカ) 」をご存じの方は多いのではないでしょうか?

鳥が突然集団で人間を襲い始めるというパニック映画で古典的名作です。

その原作を書いた人が、このダフネ・デュ・モーリア。

映画は見たことがあるので原作を読んでみたかったのと、あんな世界を思い描ける作者は他にどんな小説を書くんだろうという興味から今回短編集を購入。

ホラー作品集かと思いきや、実際に読んでみると「 幻想小説集 」のほうがしっくりくる感じでした。

また読み手に察する能力が求められる作品が多かったので、読んでいる途中に考えたり、読み終わったあとに振り返ったり、ただ読み流すだけではなく余韻も楽しめる本だなぁ、と。

「 鳥 」は、読みながら映画の記憶が蘇りました。

映画は小説の世界の雰囲気をすごく上手に表現していたんだなぁ、と。

まさにあのゾワゾワする薄暗い感覚。

表題作以外では、後半に収録された「 裂けた時間 」「 動機 」という作品が印象に残りました。

「 裂けた時間 」は、『 未亡人が散歩から帰ってくると家に見知らぬ人が住み着いており、自分が家主だと主張するも信じてもらえず途方にくれる 』といったあらすじ。

正直、タイトルから結末が容易に推測できてしまいますが、それでも引き込まれる展開でした。

今ではありふれた設定でも、この時代に書かれたと思うと実に興味深いです。

「 動機 」は、幸せの絶頂にいた妊婦が突然自殺し、悲嘆にくれる旦那から真相を探るようにいわれた探偵のお話です。

まったく情報がない状態で始まった調査から、隠されていた妊婦の過去が徐々に浮き上がってくる展開は、先が気になりすぎて読むのが止められなくなります。

主人公の探偵の性格は正直あまり良くないんですけども、結末で好感度が上がりました(笑

 

以上、個人的読書メモでした。